昔やっていた柔道を1年くらい前から再開した。アメリカにいた頃にジムで少しやっていたが、日本で再開するとおじさん向けの試合もある。一度出てみたものの、全く以前と同じようには行かなかった。やはり負けると悔しいので筋トレを始めた。3ヶ月くらいすると体つきが変わってくるし、体調にも変化が出る。若い人と乱取りしても、それなりに勝負になるようになってきた。歳をとると、体は動かなくなるが、挑戦するのは何歳からでもできると思う。挑戦すること自体が目的である。
自分は中学、高校の頃に柔道をやっていた。高校を卒業してからは、数えるほどしか柔道をしていなかった。アメリカにいた頃に試合に出たが、アメリカ人はパワーが半端ないので吹っ飛ばされて負けた。当時はあまり本気で競技をするつもりがなかった。負けると悔しいからである。やはり勝とうと思うと努力しないといけないが、年齢には勝てない。若い人にはどうしてもパワーで負けてしまう。そんなふうな考えで本気でやらずに、少しやっていた程度だ。
日本に帰国してから、何かの縁で柔道を再開した。小中学生に教えたり、中学生と乱取りしたりするくらいで特に運動になるほどの活動量ではなかった。ある時、とある先生から試合に誘われて出場した。40歳以上の団体戦である。一勝一敗で負けた相手は全日本選手権に出場したこともある人で当然負けた。試合が始まり、組んだ時の圧力がおじさんとは思えない強さだった。柔道着の上からでも大胸筋の張りがわかる。あとから大会のパンフレットを見ると、連続出場で表彰されていた。全日本選手権に出るような人でも、”俺はもういいや”とならず、競技を続けていることに感銘を受けた。
大会が終わってから、筋トレを始めた。当然次の大会に向けてである。最初は、自分で決めた重さでやり始めるが、筋トレなのに息は上がるし汗をかくのできつい。ただ、運動した後は体調が良くなる。体も軽くなり、階段の昇降も楽になった。しんどくて今日はやめようと思う日もあったが、パワーアップしないとガチ勢のおじさん達に対抗できない。試合に負けた悔しさもあって1ヶ月、2ヶ月と続けるとだんだん筋肉に張りが出てきた。プロテインも飲んでお腹周りの脂肪も減っていった。やり始めると運動しないと気持ち悪くなった。筋トレに行けない時はプールにいった。ベンチプレス、デッドリフト、クリーンとメニューも増えて重量も次第に上げられるようになっていった。筋トレするようになってからは乱取りで息が上がりにくくなった。努力中毒になりつつあるか。
おじさんで柔道している人が、まあまあいるが、強い人は強い。インターハイ、国体などに出場経験がある人もいて、おじさんになるまで続けているということはなんらかの自信がある人も多いので強い。運動していなかった頃は、なんでこんな歳まで頑張っているんだと思っていたが、いざ自分が運動してみると、そこには大なり小なり感動がある。悔しい、嬉しい、しんどい、楽しい。おじさんになってそんなに感動することはあまりない。それがやはり面白いのだろうと思う。あと、運動してから気づいたが、若い頃はもちろん体力があるが、部活で毎日運動していたので動けるのも当然あるので、おじさんも毎日運動すれば動けるのである。自分は年取ったからそれ相応にと老け込む必要は全くないと思う。パーカーおじさんが一時取り沙汰されていたが、自分が来たければ着ればいいと思う。将来の目標は筋肉ムキムキバージョンの亀仙人である。おじいさんになっても筋トレは続けたいなと思う。

