令和7年10月21日、日本では令和6年10月から始まった石破茂政権から高市早苗政権に変わった。高市早苗が自民党総裁に選出された直後に、公明党が自公連立からの離脱を表明した。先の参院選では自民党、立憲民主党が票を落とす一方で、国民民主、参政党、れいわ新撰組、日本保守党など新興勢力が票を伸ばした。学生の頃は、政治なんて全く興味がなかったが、歳をとると気になってくる。世の中理不尽なことが多くて、なんでだろうと思うのがその一端かもしれない。
石破内閣は令和6年10月に発足したが、2度の選挙と東京都知事選で大敗し、退任の圧力を受け辞任した。任期中に石破首相は何をやっていたのか覚えていないが、アメリカとの関税交渉で、80兆円の投資と15%の関税という結果になり、よかったのか悪かったのかも素人の私にはわからない。退任前にはビル・ゲイツに810億円、アフリカに8100億円、イン ドには10兆円の支援を行なっており、岸田前首相がウクライナには600億ドルの支援を行なっている。国民民主が103万円(160万円)の年収の壁を173万円に上げようとしている時には財源がないと言っていたのにどうなっているのかと単純に思う。
色々事情はあるけれど、結局アメリカの意向を汲んでのことだろうと思う。国際政治の枠組みの中で日本の政治も考えないといけないのだろうと思う。アメリカの大統領は令和7年時はトランプである。大統領選でハリスに勝った。アメリカの大統領選で勝つには莫大な金がいるらしい。トランプは選挙前に、妨害工作と思われるいろんな訴訟を起こされており、それにもいちいち金がかかるだろう。一般人には到底出馬するのも無理だろう。プーチンは歴代の米国大統領と会ってきているが、アメリカ大統領が最高の意思決定ができるわけではないと語っていた。首脳会談で合意しても、すぐに反故にされることがあるそうだ。
1991年に冷戦は終了し、ソ連は崩壊した。その後アメリカ一強になり、好き放題やってきた。ソ連の国有企業は民営化され、一部の支配者(オリガルヒ)がその富を独占することになった。当時のロシアの平均寿命は57.6歳で、ちなみに現在は67歳くらいである。治安も悪化してマフィアが問題になっていた。プーチンが大統領になり、オリガルヒから独占状態の富を取り戻し、国民に還元するようになった。一方、アメリカでもグローバル企業が台頭し、生産能力を海外に移転し、国内の生産業は廃れ、生産階級が弱体化し、貧困化した。アメリカのGDPに占める第3次産業(サービス業)は80%で第2次産業(製造業)が20%、第一次産業(農業、漁業等)は1%らしい。USスチールが日本製鉄に買収されたように、造船業なども中国にとって代わられた。ウクライナ戦争で砲弾の生産能力がアメリカやEU諸国にないことが判明した。
結局、富を持つものがより富む社会構造に変わっていっているように思う。トマピケティの『21世紀の資本』では「資本主義の富の不均衡は放置しておいても解決できずに格差は広がると書かれており、格差の解消のために、なんらかの干渉を必要とするらしい。その根拠となったのが、「r>g」という不等式だ。「r」は資本収益率を示し、「g」は経済成長率を示す。では、18世紀まで遡ってデータを分析した結果、「r」の資本収益率が年に5%程度であるにもかかわらず、「g」は1~2%程度しかなかったと指摘しており、労働でいくら頑張っても資本を持っているものには勝てないことが証明された。
政治も金で買われ、金を持っているものの意見が強いのは資本主義国家の定めなのかもしれない。最近読んだ、原丈人はその著書の中で、公益資本主義とは株主の利益だけでなく、従業員、顧客、取引先、地域社会といったステークホルダー全体への貢献を重視する資本主義の考え方で、短期的な利益追求ではなく、中長期的な視点で企業が社会全体の利益(公益)に貢献することを目指すとかかれてある。企業にも高い倫理観を求めれる時代になっていけば世の中も改善するのではないか。株主資本主義では、株主に利益を還元するやり方だと会社の従業員への報酬や設備投資が疎かになる。四半期ごとに成果(株価)が求められるため、短期的な結果を追い求めていくことで、革新的な技術の開発などがなくなり企業は衰退していくだろう。そもそも、金貸しするだけで暴利を得ること自体が理不尽だと思う。
日本人はまだ、周りと合わせようとする文化があり、自分だけ儲かっていても気まずい感じがある。出る杭は打たれる、悪目立ちする。海外ではその能力を賞賛される、また個性は否定はされないし、干渉されない。日本人は元々社会主義というか村社会というは、個人主義的な考え方が嫌われる傾向があったが、社会全体のことを考えれば悪いことではないのかもしれない。当たり前にある、普段の安全やマナーもこの日本人の気質からきているのではないだろうか。
 
											

 
							
							
							
															 
							
							
							
															 
							
							
							
															 
										
					