最近日本はもがみ型護衛艦をオーストラリアに輸出したり、殺傷能力のある武器の輸出など、その防衛面での政策を明らかに方向転換している。これまで、アメリカはロシア、イランと敵対しており、中国次のターゲットとしている。台湾有事は日本の存立危機事態と言われている。台湾が仮に中国の施政下に置かれるとどのようになるかというと、シーレーンが中国に抑えられるいわれている。石油などの重要な物資を輸送する際に台湾周囲の海域で通行をコントロールされる可能性があるのだろう。今後の対中関係について考察してみたい。

中国は歴史的に第二次世界大戦前から国民党軍と共産党軍で覇権争いをしていた経緯がある。日中戦争で一時的に日本に対して共闘する体制になっていたようだが、日本と主に戦争していたのは国民党軍で、共産党軍は戦うふりをして兵力を温存していたといわれている。戦後疲弊した国民党軍を破って共産党が中国を支配するようになった。もともと台湾の国民党が国連での中国代表権を持っていたが、追放され北京共産党が代表となり国連の常任理事国となった。中国は台湾を独立国家としてみなしておらず、歴史的な国民党と共産党の争いの歴史から台湾を併合することは毛沢東時代からの悲願であった。

中国は2013年から一帯一路を打ち出し、他国への影響力を強めようとしていた。それはアメリカとの覇権争いに他ならない。また、尖閣諸島、南シナ海、インドとの国境地帯では領土拡大への野心ものぞかせている。尖閣諸島については、田中角栄時代に中国との国交正常化で棚上げされその帰属への認識は先送りにされている。中国はしたたかで国力が十分でないときはその時が来るまで何十年でも待つ現実主義であるといえる。

中国は台湾に関しては、武力で併合しようとはしていないが、それも辞さない構えである。それは上記の歴史的意義と太平洋に出るための第一列島線を突破する領域を確保したいという意図もある。それはやはりアメリカとの覇権争いで重要な意味合いがあるからであろう。アメリカは、ウクライナ戦争、イランとの戦争で武器弾薬を消費し、空母も3隻中東に派遣している。アメリカは軍事的に超大国であるが、現在東アジアには十分な戦力があるとは言えないだろう。中国にとっては台湾への侵攻するチャンスであるといえる。しかし、イラン戦争後は大規模軍事演習と行っていない。国内情勢が安定していないのだとも思う。

現代において、地上戦が行われるような戦争は起きないといわれていたが、ヨーロッパ、中東で実際戦争が起きている。これらの影響もあると思うが、東アジアでも今後戦争が起きるリスクは高いといわれている。戦争が起きるとすれば台湾だが、どうしてこのようなことが起こるか、自分のなかでははっきりしなかった。評論家や雑誌の記事では人民解放軍創設100周年の2027年までに台湾侵攻が起こると予想されているが、イデオロギー的な意味合いでの侵攻は低いのではないかと自分は考えている。おそらく、経済的な理由で戦争がおきるのではないかと考えている。

ウクライナのゼレンスキーにしてもイスラエルのネタニヤフにしても、戦争を継続していることでその地位を維持している。中国の習近平もおそらく、経済的な理由や国内情勢で失脚するのを防ぐために戦争を起こすのではないかと思う。習近平は経済音痴だといわれており、新型コロナ流行の際はゼロコロナ政策で批判を浴びた。数年前からか中国国内から各国のサプライチェーンが撤退し、不動産バブルははじけ、中国での若年者失業率は2026年3月時点で17-18%ともいわれており、経済状況は極めて悪いのだろう。高市首相が台湾有事は存立危機事態と話し、中国は批判を強めたが、結局日本への渡航制限と水産物の禁輸くらいしか行っていない。レアアースを交渉材料にしていたが、南鳥島でのレアアース生産の可能性や、日本やアメリカなどの各国が対中依存度を減らしており、カードとしての存在感が弱まりつつある。イラン戦争でも中国の防衛品の性能が疑問視されており、イランとの関係も微妙そうだ。ロシアは中国と一応協力関係があるが、ロシアもおそらく中国を信用していない。中国が戦争を起こすとすれば、体制維持のために行う可能性もあるのではないかと思う。

2026/5/14にトランプが北京を訪問した。中国はトランプを厚遇していたが、トランプはじめ、ルビオ国務長官などの幹部はスパイ行為等に対して徹底して対策していた。提供された料理は一切手を付けず、自国のウェイターからサーブされたものしか口にしなかった。お土産品もエアフォースワンに搭乗するまえにすべて廃棄していた。しかもカメラの前で。中国としては台湾への軍事的介入をしないということをトランプの口から言わせたかったのだろうが、”発言しない”と返事をされている。また、台湾への政策は”変わらない”と言われている。アメリカの姿勢は徹底していた。習近平が次にアメリカを訪問する予定とのことだが、どのような会談になるのか興味深い。

日本は最近レールガン、ミサイルとその迎撃システム、ドローンなどの開発や護衛艦等の輸出、新型戦闘機の開発で目立ってきている。ロシアは再軍備と批判しているが、明らかにアメリカからのゴーサインがあったと考えるのが自然だろう。これまでアメリカは世界中に軍隊を派遣し基地を持っていたが、アフガンのように順次撤退してきている。中東湾岸諸国にも数多くアメリカ軍基地があったが、結局イラン戦争では攻撃の対象にはなったが十分機能しているとは言えなかった。ドイツも再軍備を始めており、世界は多極化の方向に進んできている。これまでアメリカはペトロダラー体制でドルの価値を維持し、それで持って世界を支配してきた。今回のイラン戦争やベネズエラ、中国、ロシアへの締め付けもやはり、この体制を守るためのものと考えるのが自然だろう。アメリカの世界覇権もいずれは終わるのだろうと思うが、今なのかもう少し後なのかは分からない。ただ、世界秩序は徐々に変わろうとしているような気がする。平家物語に盛者必衰とあるように、いつかはアメリカもイギリスと同じように衰退していくのだろうと思う。ローマ帝国のように内部から崩壊していく可能性が最も高いとよく議論されているが、米国内でも貧富の差が進んでおり現在の株主資本主義システムが続いていくようには思えない。

自分は経済については全く知識がないが、”景気=みんなのやる気”ではないかと考えている。やる気がでるのは楽しいときで、やはり自分らしさを最も発揮できる状況ではないかと思う。第二次世界大戦後の世界は、資本主義であったが日本も含めてまだ夢があったように思う。働けば報われる、金持ちになれるといった夢を描けていたように思える。現在は、それが行き過ぎて、一部の人間がメディア、資本、政治を利用して、彼らの思い通りにすることが人類にとってもよいことだと本気で信じているような状況だと思う。ゴレンジャーや仮面ライダー、ジャンプの悪者のような人たちが本当に存在するのだろう。人間が考えられる範囲で全てが正しいというのはあまりにも傲慢な考え方だと思う。自分たちは正しいのだから、皆が間違った方向に行かないように指導するといって、いろんな手段を使ってでも言うことを聞かせるようなやり方は自分はおかしいと感じる。納得しない人間もいるだろうし、時間もかかるだろうが、ゆっくりコンセンサスを得られるようなプロセスを経るべきではないかと思う。

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Girimaro
40代脳外科専門医、救急科専門医、アメリカ留学経験あり 日々考えていることを記録します https://blog.with2.net/link/?id=2073035