G-GS8JC1XTD1
その他

指導のあり方

先日元プロ野球選手のイチロー氏の部活での指導のあり方についての記事(https://gendai.media/articles/-/119371)を見て思うところがあり、自分の意見を書いてみる。イチロー氏曰く”厳しく指導できない今の子供たちは不幸だ”という。昔は部活動での罵声や体罰は当たり前という時代があったが、現代では許されない。自分の柔道をしていた中学時代の経験を振り返りつつ私見を書いてみる。

当時、練習は厳しかったし、試合でも変な内容だと殴られる同級生もいた。先生が怖いので必死で頑張る。一見理不尽ではあるが、ある集団全体を一定のレベルに持っていくには良い指導だったかもしれない。県大会は出場できるメンバーが限られているが、市などの小さい大会は校内ではパッとしない生徒が出場しても大体3位くらいにはなるので表彰状を貰って帰ってきていた。普段他校より厳しい練習をしているので、やはり結果はついてくる。中学生の頃は遊びたいし、やる気はあってもどう努力すれば良いかわからないことが多いので大人の指導があって、1段階上のステージを見ることができる。また、努力して結果(筋肉がつき体つきが変わる、試合で表彰される)が少しずつ出ることで自己肯定感も増し、頑張ればなんとかなると思えるようになった。子供時代のこの経験は後から振り返ると何物にも変え難いものだった。間違いなく、自分のバックボーンは柔道によって培われてきた。今でも当時の先生にはとても感謝している。

一方で、最近の子供を見ていると、夏休みの宿題をやっていかなくてもあまり先生に厳しく怒られていないように思う。昔は先生に1m物差しで殴られるなどの体罰や、単純に叱責される恐怖感で宿題を済ませていた。今はその時やり過ごせば何とかなるといった雰囲気だ。先生もあまり厳しくはできないのだろう、しかし、内申点は悪くなるから結局後で泣きを見るのは生徒自身だ。果たして、厳しく指導するのと傷つかないようにやんわり注意するのとどちらが優しいのだろうか。イチロー氏も記事の中で言っていたが、現代は伸びる子はどんどん伸びるが落ちこぼれていく子を引き上げて上げるような指導はできないように思う。できる子とそうでない子の格差が広がっていくばかりのように思う。

私見ではあるが、”やさしい”指導は結局生徒自身(特にできの悪い生徒)のためにならない場合もあるのではないかと思う。一万時間の法則(それだけ時間をかけるとその領域の達人になれる)ではないが、スポーツや音楽などある程度スラスラできるようになるには一定の努力が必要である。その壁を越えるには自分の力だけではモチベーションを保つのは難しく、正しい努力ができているかといった点で指導者の存在が重要だ。その間にいい指導者と巡り合うかどうかは生徒の将来を左右するといってもよい。スポーツ・音楽に限らず、社会一般的なことについても、学校生活である程度善悪の判断や、社会のルールみたいなものを小さい時に守る習慣をつけていないと、仕事をするようになってから社会にうまく馴染めなく(はまれなく)なってしまう。どんな子でもある程度ものになるように、見捨てないような指導が必要だと思う。時には厳しく接しないと響かない子供が一定数いるのも事実だと思う。自分はできる子をどんどん伸ばすような教育は義務教育で行う必要性は少ないように思う。私立学校で独自のエリート教育のようなものは行えば良いのではないかと思う。ちょっと脇道にそれるが、モンスターペアレントみたいな人間が増えて教師の負担が大きくなり、教師になりたいと思う人も減るのではないかと思う。教師は基本的に尊敬されるべきで、なりたい職業上位になるように社会も保護者も敬意をはらうべきである。

昭和生まれの自分としては、”人は人、自分は自分”という考えは精神的に自立していないといけないという点では正しいかもしれなが、実生活においては協調性やみんなで頑張る精神というのは忘れてはいけない要素だと思っている。”これってやる意味あるんですか?”みたいな指導が実際学生時代にあり、当時は反発していたところもあったが大人になってそれでよかったことに気づくこともある(単純に非効率だったり、指導が悪いこともあるが)。いい意味での”おせっかい”が最近はどんどんなくなってきていると思う。流行り廃りはファッションでもあるが、こういった教育のスタイルもどこかで古いスタイルに戻ることがあるかもしれない。

ABOUT ME
Girimaro
40代脳外科専門医、救急科専門医、アメリカ留学経験あり 日々考えていることを記録します https://blog.with2.net/link/?id=2073035

PVアクセスランキング にほんブログ村

脳外科医のつぶやき(心のビタミン) - にほんブログ村

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA