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一般向け

重大な決断をするときに気を付けていること

「夜に書いた手紙は出すな」ということはよく知られている。夜中に手紙を書くとついつい感情的になって余計なことや恥ずかしいことまで書いてしまうという意味だ。手紙もそうだが、大事な決断をするときも感情的にならずに広い視野で物事を決定していく必要がある。大切な決断をするときに自分が気を付けていることを述べたいと思う。

  1. 可能であればある程度時間をおく
  2. 流れを読む
  3. 良い精神状態の時に決める
  4. 普段からある程度意識しておく
  5. 自分で決める

サッカーの中田英寿も言っていたが大体の悩み事は解決済みか、考えてもしょうがないことに分けられる。頭ではこうした方が良いと分かっていても、面倒なのでただ単に先延ばしにしている。またはどうなるか全く予測がつかないので考えてもしょうがないなど多くのことは考えている時間がもったいないことがほとんどだ。結婚、就職、人間関係のトラブル、大きな買い物などは複雑な要素が絡み合っていて判断が難しい。これらは後者に分類されると思われる。

まず自分がやろうとしている、またはやらなかった場合の人や職場、環境など可能な範囲で情報収集する。可能であれば、その人や環境にいる人と話す、訪問することが望ましい。直接的な情報が得られなくても、話ぶりや雰囲気で調べたい人や環境の印象を間接的に感じることができる。次に期限をある程度設定してよく考える。あらゆるシュチュエーションを想定して、その時の自分の感情の変化を想像する。この時に良い精神状態でないとついついダークサイドに取り込まれてしまうことがある。復讐心や妬みなどの暗黒面が前面に立つと長期的には自分だけでなく家族にも害が及ぶことがある。やられたらやり返すでは堂々巡りで一生そのことに付き合わないといけなくなる。妥協すべきは妥協すべきである。捨て金も必要だ。または、その時戦わないと一生そのことが付き纏うこともあり得る。そのような時、状況によっては危険に身を晒さないといけないこともある。ただ、感情的になると法律的にも、色々な面で不利になるので冷静に戦う必要がある。キレたら負けである。他人に影響がある場合は事前に影響のある人に相談しておく必要がある。ただし、ぬか喜びさせてしまうといけないので決定的なことしか話さない方が良い。希望的観測で話すとその後の対応に一貫性がなくなり迷惑をかけることがある。

あと大切なのは本質的に何を自分が望んでいるかを内省することだ。例えば、漠然と出世したいと考えていた時に、出世した後の何を本質的に望んでいるのかよく考える必要がある。お金、名誉、他人に命令されない、自分のしたい仕事を選り好みできる、雑用しなくて良いなどだ。お金であれば、別の職場に移った方が早いかもしれない。名誉であれば、達成した後にさらに上のポジションを望むかもしれない。他人に命令されないと思っていたが、さらに上の立場から命令されるかもしれない。仕事も思ったように部下が動いてくれるとは限らない。結局堂々巡りで、それであれば責任者にならない方が自由かもしれない。

若い時は、漠然とした(漠然とするしかないが)目標をなんとなく目指して、言葉の雰囲気だけで頑張ったりするが、自分がキャリアの後半に突入あるいは死が近づくととてもリアルに考え出す。その時点で、ほんとはこれだけあれば満足できていたのに、なんとなく周りの雰囲気に飲まれて同じ道を歩いていることに気づく。なんの価値もない石ころをみんな渇望して、いざ手に入れるとただの石ころだということに気づく。思うに、本当に頭のいい人は経験する前から、そのことを知っていたかのように感じることができる。それは覚悟だ。まだ高校生なのに、頭のいい人間は先のことを知っているかのように勉強することができる。また不必要な努力をしない。シンエヴァンゲリオンのカヲル君のようである。やはり、早い段階で、色々経験を積んでリアルな現実を理解することが正しい努力と生き方には大事だと思う。頭で理解しても行動につながらないと意味がない。

色々な人が色々なことを言うが結局最後に責任を取らないといけないのは自分である。友達や家族に相談しても良いが、感じ方や好みが違うので、基本自分は誰にも相談しない。影響がある場合だけ、行動に移す前に相談というか報告するようにしている。決断を誰かに委ねるのはよくない。ただ、タイミングもあるので人の動きを見計らって、決定する必要がある。いい決断ができる時は歯車が噛み合うようにとんとん拍子に物事が進む。流れが悪いときは、基本的にあまり逆らわないか、少し決断を先延ばしにした方が良い。このような時にイライラしていたりするといい決断ができない、どちらかというと諦めとかしょうがないなと思える場合にいい意味で撤退の決断をすることが多いかもしれない。

自分は冷静に理詰めで考えて、最後は心で決めるようにしている。この内容は昔ドイツからの留学生と話をした内容だ。ドイツでは先のわからない決断をする時のことを”Jump into the cold water”というらしい。


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Girimaro
40代脳外科専門医、救急科専門医、アメリカ留学経験あり 日々考えていることを記録します https://blog.with2.net/link/?id=2073035

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