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学生時代の無気力はなんだったのか?やりたいことがわからない

このブログでも書いているので矛盾している気もするが、”やりたいことを見つけて頑張れ、楽しめ”と言う人がいるが、そもそもやりたいことがない、楽しめるものが見つからないと言う問題がある。自分も大学時代はやりたいことが見つからずに、無為に過ごしていた。夕方地方版のニュースを見て、ゴールデンタイムのバラエティを見た後は、延々プレステのウイニングイレブン(サッカーゲーム)をめちゃくちゃ弱いチームで始めてクリアするというのをやっていた。それか、車を持っている友達とご飯を食べに行ってそのままドライブに行って夜中の観光名所や自然の中なんかでタバコを吸っていた。大学に入ってすぐの頃は、コンパに行ったり企画したりしていた。だんだんマンネリ化したのと、友達に彼女ができたり、バイトを始めたりして集まらなくなった。特にやりたいこともなかったが、なんとなく中学高校の流れで部活をしていた。スポーツは勝ち負けがあり、やっている間は充実感があって、しんどいことをした後はなんか小さい達成感を感じられるからだ。

今思えば、部活をせずにバイトをしてお金を貯めて旅行に行けばよかったと思った。当時の自分に仕送りしたいくらいである。自分は初期研修医の時にタイに旅行に行ったのが、初めての海外旅行だった。英語が話ができずにカオサンロードで話しかけられても会話がうまくできず悔しい思いがしてそれから英語の勉強を始めたりしてた。やはり早い段階で色々な刺激を受けるべきである。あと、学生時代に自分が手持ちぶたさでやっていたことは自分にとってはある意味小さすぎて面白みに欠けていたのかもしれない。海外の病院に見学に行く、株の勉強をしたり、ボランティア、会社を立ち上げる、どこかの研究室に出入りしてみるなど他に今思えば他にやりようがあったように思う。もったいなかったと今になって思う。当時はなんとなく興味があっても人の目を気にしてやっていなかったりしていた部分もあったと思う。何か頑張っている人を変に斜に構えて見ていて、面白いことから遠ざかってみている”ええかっこしい”だったかもしれない。オードリーの若林も言っていたが、変に斜に構えていると人生終わってしまうと思う。自分も若いと思っていたがあっという間に人生半分過ぎてしまった。

自分がある程度充実してきたのは、大学院生の頃だった。前期出張の間は、毎日”来た球を打つ”だけだった。急患が来ればそれに応じて動くだけで慣れてくるとやっつけ仕事に変わっていった。自分の中でも成長があまり感じられなくなってきてギターでも習いに行こうと思っていたところで、大学へ戻ってこいと連絡があり大学病院に戻ることになった。大学病院では特殊な疾患や大学でないとできない治療や研究費があったので、研究・論文執筆する環境としては恵まれている。自分は研究が結構好きだったので、頑張ってやってきたつもりだ。自分の研究がいいジャーナルにアクセプトされるのを夢見て頑張っていた。また、専門医の資格もこの頃にいくつかとった。毎年健康診断では血尿が2プラスで保険に入るときにいつも追加検査を要求されたが、ある意味充実していた。自分の業績は本当に大したことないが、留学を夢見て日々努力した。日本の学会でなぜか流暢な日本語で発表するアジア系のアメリカの脳外科医がいて衝撃を受けた。Facebookで見つけ出し連絡をとった。たまたまアメリカの学会に行くところ都市の大学で仕事をされていたのであってご飯を食べにいった。そこの上司にアポを取って留学させてくれと頼んだ。金は出せないが来てもいいよと言われた。しかしながら、具体的な手続きを向こうの秘書さんに連絡してもまともな返事が返ってこなかった。途方に暮れた。その頃、日本でよその大学の院生のデータ集めを手伝っていた。そのためか、そこのボスから留学の話をもらうことができた。それでアメリカに行くことができた。人生万事塞翁が馬である。ラッキーマンである。わらしべ長者になった気分だった。

ある程度人生が充実してきたのは、大学を卒業して大学院に入ってからだったかもしれない。医者になってから自分の感覚ではただの野良脳外科医だったのが、少しは”こういうものです”と言えるものができたような気がした。若い頃はよく”人生で一番いい”とか言われるがそんなことはないと思う。まだ何者でもなくて、何をすれば良いのかわからずに暗中模索している状態でとても不安だったように思う。稲中卓球部のワンシーンで、コンビニのレジの店員が客を見下して、自分は蛹でいつか蝶になる予定というのを想像するシーンがある。このような妄想は実際何を頑張れば自己実現できるのかわからないことが若い人の抱える問題でもあるように思う。本気で熱中できるものがあるのかどうかは人による。それだけでなく何もない人もいるかもしれない。それか何も普段と変わらない生活で満足できればそれでも全然構わないかもしれない。ただ、毎日何か足りない人はちょっとでも面白いなと思ったことはどんどんやっていってほしいと思う。このブログを書いているのも、なんとなくやってみようと思ったからだ。人生一回きりなのだから楽しまないと損である。


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Girimaro
40代脳外科専門医、救急科専門医、アメリカ留学経験あり 日々考えていることを記録します https://blog.with2.net/link/?id=2073035

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