カンファレンス、学会発表の際に自分が気を付けている点を書いてみる。自分より上手に発表する人は山ほどいるので参考になるかわからないが、よかったら読んでみてほしい。今まで自分がよく注意されていたことを列挙した。
自分のプレゼンの時に気を付けている点は、情報は必要最低限にまとめるということだ。自分の言いたいメッセージは一つに絞り、それを裏付ける根拠を示していくことに注力する。術前プレゼンであれば、一番大切なのは手術適応だ。手術適応を満たすに足る、現病歴、既往歴、家族歴、アレルギー歴、身体所見、現症、画像所見などをベストショットで必要最低限示すことが大切だ。色々勉強していると、どれも大切に見えて盛りだくさんにしがちだが、本質的に手術に必要な情報には優先順位がある。病気の診断基準、内科的治療の限界、将来的な予後などが具体的な手術適応・方法に影響を与える。プレゼンを聞いている人は基本的に経験を積んだ人間が聞くので行間は省いても補完してくれるし、わからなければ質問される。大事な陰性所見を書く必要はあるが、自分が導きたい結論をサポートする情報のみをピックアップして説明するやり方で良いと思う。
図表で大切なことは必要な情報が見えやすいかどうかだ。キーになる所見ははっきり見えるような図を選び、曖昧さはできるだけ排除する。表の場合は、プレゼンの時はじっくり見る時間がないので、読める大きさの字でわかりやすく配列する必要がある。出てくるパラメーターも最小限にして、意味のある順番にしておくほうがよい。単位や略語の書き方は論文の場合は決まりがあるので、Authors guideを把握しておく必要がある。一枚のスライドにたくさんの情報を詰め込まざるを得ない場合は、アニメーションを使って、順番に情報を提示されるようにすると、目で追いかけやすく理解しやすい。
自分はあまり理解力が良い方でないので、プレゼンではできるだけわかりやすいようにしようと思っている。難しい単語は使わずに、情報を要約して無駄な解釈をする必要がないように心がけている。俳句のように、短い文章で情景が浮かぶようなプレゼンが自分の中の理想である。
本番では会の進行を妨げないように、制限時間内に終えるのが好ましい。質疑応答では、知らないことを聞かれた場合は、はっきり知らないという方が良い。または、調べて後で連絡しますと答えておくと親切だ。質問する場合は、良い質問でも発表内容以外のことは聞かない方が良いかもしれない。発表者を無駄に追求するだけの質問も良くないだろう。聞き手が知りたいと思っていることを簡潔に質問する方がスマートな印象を受ける。一度にたくさんの質問をすると、答える方は質問内容を忘れてしまうこともあるので、複数質問する場合は注意が必要だ。