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医局やめます①

突然だが医局を去ろうと思うので、今回は”医局を辞める”ということについて説明したいと思う。そもそも医局という概念は一般の人には理解しにくいかもしれないので、その説明から入ろうと思う。Wikipediaによると医局とは、主に大学医学部・歯学部・病院等においての各「研究室」、「診療科」、「教室」ごとのグループ組織のこと。医学部の教授を中心とした講座、大学附属病院の診療科を中核とする医師の集団を指すことが多く、周辺として関連病院等の医師も含めた一大グループ組織であることが多い。法令上、予算上位置付けられた組織、仕組みではない(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%BB%E5%B1%80)とある。

医局は、昔、白い巨塔に喩えられるような組織としてメディアに登場することがあったが、要は大学教授を中心とした大学関連の出身者の集まりの様なものである。機能としては人材派遣会社、OB会の様なものだと思ってもらったら理解しやすいかもしれない。教授はそのグループ内で、公立私立を問わず関連病院の人事権を握っている。人事権を握ることにより、そのグループを統率する。詳細は以前の投稿(医局の今昔①https://girimaro.com/?p=119)でも書いたが、医局制度は地域の医療を維持するのに良い側面が多い。基本的に医者は教育熱心な家庭が多く、田舎には行きたがらない。能力を含めバランスよく医師を配置するのには、医局は重要な役割を担っている。

本題に入るが、医局を辞めるのには色々な理由があるが、その組織での希望のポスト、仕事に就けない、家庭の事情、収入などが一般的である。自分の場合は、大学での各診療グループ内での序列が教授選で変わらなかったことが大きい。昔は教授が代替わりするときに、大学病院の内部のポストも刷新すること(いわゆる粛清)があったが、今は昔ほど正職員を簡単にクビにできないので、大学を含めて人事が停滞することが多い。自分より役職が上の人間がグループ長だと、その人が辞めるまで下働きを続けなければいけない。通常はグループ長は他大学を含めて教授選に挑戦したり、専門医療機関の部長に立候補する、あるいは関連病院の部長として大学を去ることが多いが、大学病院はヒエラルキーがしっかりしており、スタッフになると居心地が良いのでなかなか外に出たがらない。このままでは一生下働きだと思い辞めることになった。業績を上げたり、診療を頑張っても日本の医局の構造上、年功序列の考えが強い上、教授でもスタッフを動かすのには同意が必要なので、やめない人は居続ける。辞める理由は実家から近いところで働きたい、収入が多いところが良いなど他にもあるが、メインの理由はやりがいである。せっかく色々海外留学などで学んだことも、やはり裁量がなければ患者に還元できない。

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Girimaro
40代脳外科専門医、救急科専門医、アメリカ留学経験あり 日々考えていることを記録します https://blog.with2.net/link/?id=2073035

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