ウクライナ戦争が始まってから1年以上が過ぎた。先日G7が日本で開催されたが、電撃的にゼレンスキー大統領が訪日し、話題になった。ロシアはウクライナ東部、南部で支配地域を維持しているようだが、ウクライナの反転攻勢の報道もあり、劣勢になってきている印象もある。最近のニュースから得られた情報で色々考えてみた。
2023年3月21日(現地時間)に岸田総理大臣がインドへの外遊後にポーランドを経由してウクライナを訪問した。ウクライナ訪問はおそらく日本で開催されるG7の主要国と足並みを揃える目的もあっただろうと思う。ウクライナ戦争開始当初はエネルギー問題もあり、ドイツは少し距離をおいていたが、戦車をウクライナに提供するまでになった。最近は米英はロシアに対しより強行的で、ミサイルや戦闘機の供与も行うようになった。フランスは仲介役を買って出ており、最近でもプーチンとの対話を促すような発言をしており、裁こうとする米英とは温度差がある。いずれにしても、G7に加盟している国々はロシアのウクライナ侵攻を非難している。
G7でゼレンスキー大統領が訪日したが、どの記事だったか忘れたが、日程的にかなり強引なスケジュールで予定されていたというよりは急遽決まったとしか考えられない日程で、アメリカからの強い要請があったのではないかという記事を読んだ。またG7直前にはバイデン大統領は連邦債務上限問題で共和党のマッカーシー下院議長とギリギリまで交渉しており、デフォルト回避のためG7に参加できない可能性もあった。この辺りは、バイデン大統領のウクライナ戦争に対する強い意志を感じた。これは自分の憶測ではあるが、アメリカは全体で5割、額にすると10兆円の支援をウクライナに対して行っており、共和党から多額の支援に対する批判があり債務上限で揉めていたのではないかと自分は考えている。
バイデン大統領の息子のハンター・バイデン氏は2014年にウクライナの国営天然ガス会社ブリスマに年間100万ドルのコンサルタントとして入社している。同年4月に当時の副大統領である父親がウクライナを訪問し、ブリスマの幹部と会った。それから1カ月もしないうちに、有利な契約が転がり込んできている。ウクライナは汚職が蔓延っていて、政情が常に不安定だった。おそらく当時のアメリカも相当にウクライナの政権に介入していただろうと思われる。ゼレンスキーは大統領ではあるが、アメリカの影響は支援もそうであるが多分に受けていることはG7の雰囲気から想像できる。
ウクライナ戦争はやはりアメリカとロシアの代理戦争のように思う。バイデン大統領の戦争への支援が、本当に善意から来るものなのかは甚だ疑問である。ウクライナ戦争では莫大な戦費が費やされており、軍需産業は当然儲かっていると思われる。ウクライナの人々としては、土地を奪われ、多くの人が亡くなってしまっているので引くに引けない状況になっている。また、そもそもこの戦争が本当に必要なものだったのかという疑問が湧いてくる。侵略したのはロシアであり、当然非難されるべきであるが、アメリカが、それ以前から政治的に何らかの介入をウクライナにしてきたことは事実だろうと思う。
アメリカはNATOの事務局を東京に設置しようとしている。自分は、日本もそのうち、ウクライナのように米中の代理戦争に巻き込まれる可能性があるのではないかと危惧している。バイデンどれだけ戦争したがるんだという感じである。日本は経済的にアメリカを含む西側諸国とうまくやっていく必要があるが、ある程度独立して独自の判断ができるようにしていかないと日本という国の本当の発展はないように思う。プーチンが日ソ共同宣言に基づき、歯舞、色丹を日本に返還する雰囲気があったが、これらの島に米軍基地ができるのを恐れて話が進まなかったというのを聞いたことがある。プーチンは日本を主権国家として見做していない。日本人、個々人を見ても、事なかれ主義で自分の意見をはっきり持っている人は少ないように思う。自分でリスクを取って決断することはとても重要だと思う。