昨日、医局のテレビで安倍元首相が凶弾に倒れたニュースを知った。午後から隙を見ては速報をチェックしていたが、心肺停止と報道されておりかなり厳しい状況だということはすぐに分かった。安倍元首相は戦後最年少、最長の在任期間という稀有な総理大臣であった。普段、よっぽどのことでないとあまりショックは受けないが久々に衝撃を受けた。自分にとっても大きな転換期になると思い、その時の気持ちを記録しておこうと思った。
安倍晋三元首相が襲撃されたのは、2022年7月8日午前11時半頃、奈良市内の大和西大寺駅前で、参院選の街頭演説時に背後から銃撃された。自分がニュースを見た時にはすでに倒れており、字幕で心肺停止とあった。ただことではないなとすぐに分かった。犯人はすぐに取り押さえられており、当初は散弾銃で犯行に及んだとあった。
ドクターヘリで奈良県立医科大学に搬送されている様子も見たが、おそらく機械での胸骨圧迫がされているであろう動きが報道されている映像からは確認でき、相当厳しい状態であろうと感じた。外傷性ショックの救命率は低い。その後、犯人に関する断片的な情報が報道されたが、安倍元首相の病状については治療中だけで、死亡の報道はなかった。ひょっとして助かるかもしれないと思いながらニュースをフォローしていたが、昭恵夫人が病院に到着された後、午後5時3分に鬼籍に入られた。
あまりに突然で衝撃の大きなニュースで、昨日(2022年7月9日現在)の午後は呆然としていた。襲撃される様子をニュースや、海外のYoutubeでの動画で見たがとてもショッキングだった。犯人はゆっくりと近づき二発発砲し、その直後に安倍元首相が地面に倒れ込んでいた。色々事情はあるとは思うが、警備も緩いとしか言いようがない。咄嗟のことだと、事態が把握できずにすぐに回避行動は取れないと思うが、どうしても他にやりようがなかったのかという気持ちにならざるを得ない。
自分は、特に支持政党はないが、安倍元首相のことは評価していた。北朝鮮の拉致被害者についても熱心に活動されており、特に外交で日本の存在感を発揮していたと思う。アメリカ大統領を始め、各国首脳から弔電が届いており、プーチン大統領、習近平国家主席からも哀悼の意を表されていた。一筋縄ではいかないトランプ大統領や、プーチン大統領とも対等に話ができる、数少ない政治家だったと自分は理解している。安倍元首相が現総理大臣であれば、ウクライナ戦争ももっと上手くいっていたかもしれないと自分は思っている。
犯人の政治的な背景は、現時点ではよく分かっていないが、どんな動機であれ許されることではない。失ったものがあまりにも大きすぎると思う。安倍元首相は、その家系に佐藤栄作、岸信介といった総理大臣や父親に安倍晋太郎元外務大臣をもつサラブレッドである。親がすごくても子供は大したことないケースは山ほどあるが、安倍元首相は血統だけでなく、能力も備わっていた稀な世襲議員だと思う。政治の世界はわからないが、いろんな意見や利害関係がある中で、たとえ能力があっても、意見をまとめることは相当困難だと思う。安倍元首相のような背景があるからこそ意見を聞くような人間も大勢いると思う。まだ若く、国際社会で日本の立場を押し上げてくれる能力のある議員を失ったことは日本にとってあまりに痛すぎると思う。
このような結果になってしまったことは取り返しがつかない。しかしながら、後を振り返っても何も変わらない。自分の人生でも、その組織の中で大きな役割を果たしていた人物が突然去ったり、失ったことが、これまでにあったが、その都度それを埋め合わせるように、周りの人間が育ったり、代わりの人間が現れたりしてきた。人間は永遠に生きていけるものではないし、いつかは次の世代にバトンタッチをしていかなければいけない。この事件に直面して、月並みだが自分もしっかりしないといけないと感じた。明日は参議院選挙があり、投票に行く予定である。よく考えて一票を投じたいと思う。最後に亡くなった安倍元首相のご冥福をお祈りしたいと思う。